稲ってもともと暑い地方の植物でしたね。(稲作伝来の項)
それで稲作が伝来したあと、日本に広まっていくのですけど、
だいたい東北地方南部の辺りで止まってしまいます。
東北地方をさらに北に行くと寒すぎるというわけです。
でも現在、米といえば東北地方ですよね。
日本で生産される米のうち4分の1は東北地方で作られています。
もともと暑い地方の植物なのに、日本では寒い地方で多い。なぜか?
寒い地方は生活が厳しいですから人口もそれほど多くないわけです。
ということは土地が余っている。
ここを利用できれば米がたくさんできます。
でも気温の低さを克服しなければ豊作は望めないでしょう。
そこで日本人はもともと暑い地方の植物だった稲を、
寒さに強くなるように変えていきます。
これを品種改良と言います。
冷夏でも実った稲をとっておいて、種籾として翌年使うということを
繰り返せば次第に寒さに強い稲ができてきますよね。
また、品種改良によって、より収穫量の多い稲、味のよい、害虫や病気に強いい稲を
作ってきました。
長所を持つ稲同士をかけ合わせて、両方の長所を受け継ぐ稲を作ったりもしました。
寒さに強い+味がよい、などですね。
それから寒さ対策として保温折衷苗代(ほおんせっちゅうなわしろ)があります。
苗を育てる春、東北地方ではまだまだ寒い時期です。
それで苗を育てる苗代を、油紙でおおって保温したのですね。
これは水を張っていないので畑苗代と言います。
苗が育ってきて油紙の中では狭くなってきたら今度は水を張って保温します。
こっちは水苗代です。
畑苗代と水苗代のいいところを組み合わせた(折衷した)ので
保温折衷苗代と言います。
また、寒い地方では、用水路の水をいきなり田んぼに入れると
冷たすぎる場合がありますので、わざわざ遠回しをして水田に水を入れます。
これを「ぬるめ」といいます。水を日光に当ててぬるくするということですね。
こういう寒さ対策の工夫があって、初めて東北地方は日本の穀倉と
呼ばれるまでになったのですね。

