品種改良だけでなく土地改良というのもあります。
ちょっと人間ってば自然を改造しすぎのような気もしますが。
人間まで改良し始めたりして。
それはさておき、
それまで決して生産力が高くなかった地域が、
現在は土地改良によって米作り日本一を争うようになっています。
一つ目は石狩平野。どこにあるでしょう? はい、北海道ですね。
石狩平野はその昔、泥炭地が広がっていたんです。
しかし泥炭地というのは農作物が育ちにくい土地なんですね。
これをなんとかしなきゃ米ができない!ってわけです。
そのためにどんな工夫をしたかといいますと、
「客土」ですね。
単純です。泥炭地の上に農業に向いたいい土をかぶせました。
この土は、ポンプでずーっと地下の方から吸い上げたそうです。
なんだか上と下がひっくり返ったようなイメージですね。
こうして石狩平野は土地改良をして、農業に向く土地に変えたのです。
しかしまだ障害はありますよね。
寒さ。これには品種改良などで対応したのでしたね。
洪水。石狩川は蛇行している、つまり曲がりくねっていますので
川がカーブするところで洪水がおきやすかった。
それで石狩川を工事して川筋をまっすぐに変えました。
土地も改良、稲も改良、川も改良。こうして石狩平野は米どころとなったのですね。
きらら397なんて品種が有名です。聞いたことあるでしょ。
さて、土地改良で有名な場所がもう一つ。越後平野です。
コシヒカリで有名な米どころですが、昔は米の生産は多くなかったようです。
越後平野に流れている川。わかりますか?
有名なところでは信濃川、そして阿賀野川があります。
両方とも国内では大河といっていいですね。
この2つの大きな川が流れている越後平野、
稲作に必要な水に恵まれているどころか水が多すぎたんです。
特に水が多くなるのは春ですね。なぜでしょう?
そうそう、雪解け水ですね。
ということで越後平野は水が多すぎて、水田には常時水がたまっていました。
こういう水田を「湿田」といいます。
水田というのは必要に応じて乾かすことができる「乾田」の方が
生産力が高いんです。しかも農作業もしやすいですね。
湿田じゃ、はまっちゃいますよ。
ということで越後平野も土地改良に着手します。
もう、地上に排水路を作るだけじゃ間に合わなかったので、
水田の地下に配水管を埋めちゃいました。暗渠排水(あんきょはいすい)と言います。
そこから余分な水には出て行ってもらうと。
そして、信濃川の水を分散させるために、河口をもう一つ人工的に造りました。
これを大河津(おおこうづ)分水路と言います。
こうして越後平野も米どころに生まれ変わることができました。
思えば、石狩平野も越後平野も、もともとは稲作に向いていなかったのに
いまでは米作り日本一を争うようになっているのですね。
努力と工夫によって。

